短絡的な命令にエコ推進企業は困惑?
TVでのニュースからは東日本大震災のニュースが少なくなり、現国会の不信任案関連のニュースがその大半を占める今、スキー場業界は新たな困難に直面している。
直接の被災地ではない静岡県にあるスキー場では、マウンテンバイクなどのアクティビティを売りに、これからの夏シーズンに向けての営業をしている。
そんな中、電力不足によりスキー場などの大口契約者は一律15%の電気使用料削減を求められ、違反すると100万円の罰金が科せられる強制力のある命令が政府から発せられている。
静岡県スキー場関係者の話によると、営業の面から言えば15%の削減が出来なくとも、100万円程度の罰金であれば、リフトを止めて節電するよりもよほどマイナスが少ない。 実は「削減に対して否定的な考え」すらもある。
しかし罰金以上に「削減が守れなかった企業は、企業名を公表する」と付け加えられているため、否応なしに対応を求められている。
スキー場関係者が電力の節減に否定的な考えを持つことは、何も「事態の重大さに気づいていないから」、ということではないようだ。
夏場のスキー場が使用する主な電力はほとんどがリフトの稼働に消費されるが、運転する速度を遅くすることでスキー場全体の消費電力を昨年比で15%削減することが出来るという。
では、昨年以前からすでにリフトの速度を遅くするなどして消費電力を削減してきたスキー場は、そこから何を削減すればいいのだろうか。
静岡県スキー場関係者は、「すでに削減できる部分が思いつかない。このまま行けばリストに公表されるのを覚悟で営業するか、または営業を取りやめるかしか選択肢がない」という。
これまで企業努力により、エコを推進してきた会社ほど15%のハードルは厳しく、エコを推進してきた会社は店をたたむか、リストに公開され悪名を馳せるかどちらかになりそうだ。
大変理不尽な話である。
思い切って今期の営業を停止した場合でも、固定資産税は今まで通り徴収され、面積の大きいスキー場では営業をしなければ支払える金額ではなくなるだろう。本当に救いがない、電気は止められ、営業が出来ずとも、国は固定資産税、法人税はしっかりと徴収するだろう。
前にも、後ろにもいけない切羽詰った状況にある。
一方、今まで節電対策をおろそかにしてきた企業にとっては、絶好の機会である。少し削減努力をすれば15%の削減が可能になる企業もあるだろう。そして15%削減を守れたなら、「リストに載らない」ことで「リストに載っている」エコ実施を続けてきた会社よりイメージがよくなる。
大変理不尽な話である。
すでに通り一遍とうな対策では不都合が出る状況に陥っている、国会では不信任などのくだらない決議案を作る時間があったら、より現実的な削減案や救済案を考えることに全力を尽くしてもらいたい。今回はスキー場が戸惑う状況をお知らせしたが、これはほぼすべての大口電気使用契約者にあてはまるだろう。所詮、商売などをしたことがない人が大半を締める国会議員や官僚諸君では商売のことが分からない、ということであれば、民間がもっと具体的な案を出し、メディアがアイデアをフォローし、正しいものは正しい、間違っているもは間違っていると議論しあえる世の中になってほしいとおもう。
夏場のスキー場関連の裏事情は、またの機会に詳しく掘り下げたいと思います。